約20年後にわかったこと

友人のマラソン大会の投稿を読んだ時、カー君が小3のマラソン大会で、いつの間にかジャングルジムに上り、走らずに声援を送っていたことを思い出した。

もちろん先生に見つかり、走らされたことは言うまでもないが、クラスメイトを応援して作戦失敗という結果に笑わされた。

そんなことを思い出しているうちに、もう一つ思い出したこと。
カー君は小1,2の運動会の徒競走で、途中で急ブレーキをかけて走るのをやめ、逆走し始めるということがあった。
「小1の運動会でそれをやって、周りにウケたから小2でも同じことをした」というのが、当時大人が出した理由だった。
でも、そうじゃなかった事が約20年後にわかった❗️
ビデオテープに保存してあった映像をDVDにしていただく機会があった。
運動会の映像を改めて見た時に気付いたのは、カー君がブレーキをかけたのが、先頭の子がゴールテープを切った瞬間だったこと。
かけっこのゴールはテープを切ることだと認識していたとしたら?
あるいは、自分もテープを切りたいと思ったから?
誰かが先にしてしまったから、自分はやり直そうと思ったのではないだろうか。
競争心がないから、最後まで走らないんだろうとかも思っていた。
とんでもない!カー君の負けず嫌いは後々明らかになる。
そう考えたら、負けず嫌いの行動はその頃からあった。
周りの大人たちが、自分たちを納得させるために考えた理由が、本当は違うことを、彼らは教えてはくれない。
だけど、違うよ~~と思っていたことは間違いないだろう。

本気のラジオ体操

カー君とラジオ体操

出会いは小学校に入学したての体育の授業。

まだ、体育館の中でクラスメイトと一緒に…ができなかったので、体育館の扉の外で、特学担任と二人で、みんなと同じラジオ体操をしたのが始まり。

そして、1年生の夏休み、姉二人に連れられて、毎朝のラジオ体操に行く。

その後6年間、夏休みのラジオ体操は皆勤。
なぜか中学生になっても参加。
いつまで行ってたのか、いつから行かなくなったのかの記憶はない。笑

いつの頃からか、ラジオ体操なのかテレビ体操なのか、6時半頃から毎朝一人で体操をしている。
もう何年もしている。

1年365回×何年?基礎がしっかりできていることを、
それだけやっていれば、もう達人の域。

職場では「体操のお兄さん」として、高齢者の皆さんのお手本となる。

なんでもいい。好きなことを続けていれば、いつか極める時がくる。

「毎日やる。同じことを続ける。」

それを『こだわり』という問題行動にしてしまうのは、ものすごくもったいない。
それこそ自閉症の強み。


自閉症の人は、本当に変更が苦手か?

小学生の頃のカー君は、突然時間割が変わったり、運動会の練習で給食の時間が遅くなったり、プールの授業が天候のせいで中止になったりしたら、パニックになりました。
少し大きくなってからも、毎日の食事の時間や出掛ける時間が決まっていて、少しでもズレるとパニックになりました。
今のカー君は、仕事が忙しい時や遠くへ行く時は、早く家を出て出勤します。
それが、「少しだけ早い」時と「早出」の時があります。
どちらの時も、前日に仕事の予定を聞いてきたカー君が、自分で決めてそうしています。
最近はご飯の時間も、母の支度が遅くなっていたら待ってくれたり、自分の用事がある時は遅くなったり、かなりアバウトになりました。
確かに、自閉症の人は変更が苦手です。
でもそれは、勝手に決められた予定を予告もなく変えられる場合です。自分で決めた予定なら、自分で変更します。
そうなるには、自分で予定を決められるようにならないといけません。
それにはやっぱり練習が必要です。
「予定が変わる」練習ではありません。
「予定を知らせてもらって、その通りに自分で動く」練習です。
それが日常になると、日々の生活を自分で考えて動けるようになり、変更もできるようになります。

ただ、急に人から言われる変更は、やっぱり苦手です。
でも、それは自閉症の人に限らず、誰でもそうだと思います。

3度目の就活は自分で!

カー君の今回の就活について、記録を残しておこうと思う。
去年の春頃からだったろうか?いきなり「一般就労します!」と言い始めた。
最初は相手にしていなかった母だが、あまりに言い続けるので、7月になって相談支援員さんを交えて話し合った。
母はカー君に言った。
「以前のように一緒に就活することはできない。どうしても一般就労したいなら、支援員さんと相談しながら自分でやりなさい。」
カー君の意志は固い。
とりあえず、9月に開催される合同面接会にエントリーすることにした。
その準備のために、ハローワークに行って求職登録をしてこないといけない。
カー君は一人で行って、手続きを済ませてきた。
これは本気なんだとやっと認識した。
その後、何度か支援員さんと一緒にハローワークへ行き、合同面接会のエントリーをした。
合同面接会…ここで決まることは難しいと思っていたが、3社のうち、実習をしてくれそうな所が1社あったらしい。
が、結果は予想通り全滅だった。
すると、カー君はまた動いた。
卒業した学校に行って、先生方に相談してきた。
その日のうちに電話があり、1つの会社を紹介していただいた。
ハローワークに求人が出ていると教えていただいたので、翌日、カー君にその会社の求人票を取りに行かせた。
そして、相談支援員さんに連絡して、ハローワークから会社にアポイントをとっていただいた。
その後、見学・実習・面接、全て支援事業所のスタッフとカー君で動いた。
母は進捗状況を連絡してもらい、それをカー君にわかるように伝える役割。
そして、カー君は一般就労の目標を達成した。
今回の就活は全てカー君が自分で決めて、自分の意志で動いた。
ここまでできるようになったカー君を、母はもう何の心配もしていない!

一つの言動を深く考えてみるとスッキリします♪

ある作業の時間予測を見誤り、仕事終わりが5時過ぎになってしまいました(^^;
帰宅したのが17:35。
カー君「お風呂の洗剤が残り少ないです!
母「ご飯が遅れてもいいなら、そっちを先にするけど、どっち?」
カー君「・・・」
母「お母さんは一人しかいないので、ご飯の用意か洗剤の準備か、どっちか一つしかできません!どっちがいいですか?」
カー君「ご飯にします!」
夕食の準備をしながら、カー君はお風呂掃除を朝やってたことを思い出しました。
見に行くと、今日のお風呂の準備はできています。
ということは、洗剤は次に掃除をする時までにあればいいわけです。
それを、急いで帰ってきた母の帰宅直後に言う必要があるのか?(-"-)
母の帰宅が思いのほか遅くなり、カー君はパニックになっていたんだと思われます(><)
2017/12/7
昨日のカー君の言動を再考してみた。
それは、朝からの伏線があった。
昨日は資源ゴミの日だったから、母はカー君がお風呂掃除をしている最中にゴミ出しに行き、そのまま家に上がらずに仕事に出かけた。
玄関で、やっぱり出かけるカー君と少しだけ会ってはいたけど…。
お風呂掃除の洗剤は、使う直前に無くなっている事を言ってきて、慌てて詰め替えなくてはいけないことが多々あったので、無くなりそうになったら早めに言うように教えてあった。
今日の掃除で洗剤を使い切ったから、お母さんに言わなくちゃ!
朝、言い忘れたから、帰ってきたら言わなくちゃ!
そう思っていたのに、お母さんは残業でなかなか帰って来ない。
でも、忘れずに言わなくちゃ!
・・・で、帰宅直後の母に言った。
カー君は、ただ「洗剤がなくなった」ことを伝えただけで、「詰め替えてください」とは言っていない。
それは、母が勝手に先読みしただけ。
そうなんだよね~~冷静に考えれば、パニックになっていたのは、カー君じゃなくて母の方(^^;
ただ、言うタイミングってあるじゃない!?
それ今言う?ってことあるよね?!
昨日、母との会話で、なんとなくカー君は「まずい時に言ったみたいだ」ということはわかったみたいだけど…。
2017/12/8
昨日の投稿を読んだ次女さんから、「あーあ、カー君かわいそう!」と感想を一言。
そうね、、、確かにね。。。
が、そこから母の反撃に合う!笑
お母さんみたいに、そこまで考えてくれる親(支援者)ってどれだけいると思う?
ほとんどの親(支援者)は自分が悪いとも思わず、本人の気持ちを全く考えず、全てを障碍のせいにして片づけるんだよ!
もしくは、イライラさせたことを本人のせいにして叱って、パニックにさせて、それも本人のせいにして、ただ大変だって嘆いているだけだったりするんだよ!
そう思ったら、カー君は幸せだと思わない?
爆笑!!!!!
私は、我が子が自閉症だとわかって、確かに嘆き悲しんだ。
けど、いろんな出会いがあって、支えがあって、自閉症の世界を知れば知るほど、もっと知りたいと思った。
そして、何か問題が起こった時、「自閉症だから」ではなく、「自閉症の何がその問題を起こさせているのか?」を考えた。
それが、我が子の世界を知る唯一の手がかりだったから。
カー君は、自分のことを言葉で語ることはできないけれど、母の想像したことが正解かどうかは教えてくれる。
そして、正解に辿りついた時のスッキリ感は半端ない!笑
(正解に辿りつけない時のモヤモヤ感も半端ない!笑)
2017/12/9

音声言語の限界

キッチンの片づけをしていたら、カー君の水筒のパッキンが落ちていたので、カー君を呼んで「水筒持っておいで」と言いました。
でも、わかっていない感じだったので、パッキンを見せて「これを付けてないと、またお茶がこぼれちゃうよ」と言いました。
そのまま、自分の部屋に戻って行ったカー君は、水筒を持ってやってくる様子が全くありません。
パッキンを持って行って、「だから、水筒持っておいでって言ったでしょ!」と言うと、初めて水筒を取りに行き、目の前でパッキンを取り付けながら、「これを付けてないと、お茶がこぼれちゃうでしょ!」ともう一回言いました。
「お母さんが水筒持っておいでって言った意味、わからなかった?」と聞いたら、「わかりませんでした」とな。。。
カー君は、自分の身の回りのことは自分でします。
だから、職場に持って行くお茶の準備も自分でします。
水筒はもう持って行く準備が整っています。
そこに、母が「持っておいで」と言ったところで、『どうして』なのかわからなかったら、その通りにはしません。
また、もし「水筒持っておいで」の意味がわからなくても、言われた通りにはしません。(まあ、あたり前ですが…)
でもさあ、だったらさあ、「どうして?」とか「わかりません」とか、言われた時に聞けばいいじゃん!って思うよね?!
私も思う!!!
でも、それができないのがカー君であり、カー君のコミュニケーションレベルがそこなんだと理解しないといけない。
ということで、カー君と関わる皆さんは、そこのところをご理解の上、お付き合いいただけると有難いです♡

読むことと書くこと

市から『障害者計画アンケート』がカー君に届きました。
「ご本人がご記入ください」って書いてあります。
カー君、まず設問が50近くある事に嫌気がさしてたようです。笑
でも、ご本人って書いてあるしね~~
だけど、質問の意味わかるかな~~
てことで、一つずつ母と確認しながら記入。
カー君に「声に出して質問を読んで」と言ったのですが、早く読もうとして、何を言ってるのか全くわからない(><)
質問の要点をわかるように伝えたら、下のいくつもある選択肢から選ぶのはすごく早い(@@)
それで思ったこと!
カー君、ちゃんと読んでるんです。ものすごい速さで!
でも、それを声に出すのは大変なんです。たぶん。。。
読むのは目だけでできるけど、声に出すとなると、変換作業が必要だもんね。それが本当に大変なんだね、、、カー君。
アンケートは無事終了!
一個だけ母の意見も入れてもらったけど、それ以外は全てカー君が選んだものに口出ししませんでした。
というより、口出しする必要がなかったかな。。。
2017/9/6

カー君と映画

ずっーと前から2人で行くのを楽しみにしていた映画を観に♬
戸惑う甥っ子の手を繋いで連れて行くカー君。
それを見送る母は、感動で泣きそうでした(ToT)
映画が終わるのを待つ間、長女(甥っ子のママ)に「カー君って、映画はエンドロール終わるまで全部観る?それともすぐ出る?」と聞かれ、「そんなこと知らない。だって一緒に映画観ないもん」と答えた母。
カー君と一緒に映画を観たのは1回きり。
暗い場所が苦手なカー君を、初めて映画に連れて行った『ハリーポッターと賢者の石』だけ。
途中、何度か「もう終わりますか?」とか「あと何分ですか?」とか少しうるさかったので、あえてまた連れて行こうとは思いませんでした。
それから数年後、、、長女と『BECK』を観に行くのに予約を入れていたその日、台風で休校になったカー君を、映画館のあるショッピングセンターに一緒に連れて行って、映画を観ている間、ボウリングをしていてもらおうと言う算段にしていました。
ところが、映画館でチケットを買っている母たちの様子を見ていたカー君が「アリエッティ観ます!」と言い出し、「えっ?一人で観るの?お母さんたち別の映画を観るから、一緒に行かないよ」と言うと、「一人で観ます!」
上映時間が『BECK』よりも『アリエッティ』の方が遅いので、チケットだけ渡してあとはカー君が一人で行動することになります。念のため、入場口にいるスタッフに事情を説明して、案内してもらえるように頼みました。
そうやって一人で映画を観ることができたカー君は、それが自信になったようで、それからはずっと観たい映画は一人で楽しんできます。
でも、可愛い甥っ子と一緒に観るのも楽しかったみたいです♬